競艇のチルトって何!?チルトの主流や各競艇場の制限まで徹底解説!
初心者の人などは聞いたことはないかも知れませんが競艇には『チルト』という言葉が存在します。
チルトとは『艇にモーターを取り付ける角度』のことを指し、競艇の出走表にもチルトが記載されています。
チルトの調整によって艇の性能に大きな違いが生まれ、チルトはレースを予想する上でも重要な要素となってくるでしょう。
今回当記事では、チルトについて詳しく紹介していきます。
モーターへの影響や、各競艇場にある角度制限など、実際に予想する際にも役に立つ情報と思いますのでぜひ、参考にしてくださいね。
チルトの数値
画像元:https://www.tokyo-sports.co.jp/race/boat/553191/
冒頭でも説明したように、競艇のチルトとは、艇にモーターを取り付ける角度のことを指し、チルトは『チルトアジャスター』という部品で調整することができます。
競艇選手は本番のレースの前に、自分の艇のチルトを変更することができ、チルトには以下の8段階が存在します。
・−0.5度
・0.0度
・+0.5度
・+1.0度
・+1.5度
・+2.0度
・+2.5度
・+3.0度
チルトは各競艇場に制限が設けられています。
その最大の理由としては『安全配慮』が挙げられます。
各競艇場の制限については後ほど詳しく見ていきましょう。
チルトの数値を小さくすることを『チルトを下げる』と言い、チルトの数値を大きくすることを『チルトを上げる』や、『チルトをはねる』などと言います。
チルトの情報は、レースを予想する際にも必要になってくるのでぜひ、覚えておいてくださいね。
チルトがモーターへ与える影響は?
写真元:https://www.rakuten-bank.co.jp/koueirace/boatrace/fun/
続いて、チルトの調整でモーターにどのような影響があるのか詳しく見ていきましょう。
まず、チルトのモーターへの影響を簡易的に説明すると以下のようになります。
・チルトを下げる…出足と周り足を重視
・チルトを上げる… 伸び足を重視
このことは、モーターの角度を決めると、プロペラの角度が決まると考えれば分かりやすいと思います。
例えば、チルト0.0度はプロペラが艇に直角に取り付けられている状態なので、艇の先は水面と平行になります。
それでは、この状態を基準にチルトを下げた場合とチルトを上げた場合について詳しく見ていきましょう。
チルトを下げた場合
チルトを下げると、プロペラが艇に対して斜め下に向かって付いている状態になります。
そうすると、ボートの先は下を向くことになり、水面と触れる面積が大きくなるので、艇が安定するようになります。
その結果、安定して初速が出やすく、旋回しやすい『出足と回り足を重視』したモーターになるのです。
ただし、水面からの抵抗は大きいので、直線では伸びにくいという欠点もあるので覚えておきましょう。
チルトを上げた場合
チルトを上げると、プロペラが艇に対して斜め上に向かって付いている状態になります。
そうすると、艇の先は上を向くことになり、水面と触れる面積が小さくなるので、艇が水面から受ける抵抗が小さくなります。
その結果、直線の最大速が出やすい『伸び足を重視』したモーターになるのです。
ただし、艇が安定していないので、初速が出にくく、旋回しにくいという欠点もあるので、こちらも覚えておきましょう。
各競艇場のチルト制限
続いて各競艇場のチルト制限について見ていきましょう。
最大チルト角 | 競艇場 |
+0.5度 | 戸田 |
+1.0度 | 桐生 |
+1.5度 | びわこ・住之江・若松・福岡・大村 |
+2.0度 | 江戸川・徳山 |
+3.0度 | その他の15競艇場 |
水上面積が狭い競艇場や、ターンがしにくいとされている水面の競艇場では、チルトの上限が厳しめになっています。
これは安全面を考慮した上での制限とも言えるでしょう。
その例として、『戸田競艇場』はコース幅が全国で1番狭いことが理由でチルト角が3種類しか選べません。
例えば、1マークを回った艇が対岸ギリギリを走ることがありますが、もしこれが水面に弾かれたり流されたりしていたら、対岸に突っ込んでしまう危険性があります。
先ほども少し触れましたが、チルトを上げるほどボートは上を向き不安定になるため、転覆などの事故がないよう環境に合わせてチルトの調整幅が決められていると言えるでしょう。
江戸川競艇場は、『全国屈指の難水面』として有名で、ターンが難しいとされているにもかかわらず、チルト制限は『+2.0度』まで許容されています。
実際に、江戸川競艇場のレースを見てみるとチルトを下げている人のほうが多い印象ですが、チルトを+2.0度にしている選手には意外性もあるので予想する際には注目しておきましょう。
チルトの主流は−0.5度
画像元:https://www.boatrace.jp/owsp/sp/race/beforeinfo?hd=20210126&jcd=24&rno=12
チルトには、上げたときも下げたときもメリットとデメリットがあるのですが、現在の競艇では、どの競艇場でもほとんどの選手がチルトを『−0.5度』に設定しています。
その理由として、直線での伸び足で勝負をかける選手よりも、スタートダッシュやターンマーク付近で勝負をかける選手が多くなっているからです。
現在、第一線で活躍しているトップクラスの選手のほとんどが習得しているテクニックのひとつに、『全速ターン』というものがあります。
これは文字通り、ターンマーク付近でスピードを落とすことなくターンするテクニックなのですが、全速ターンを確実に成功させるには艇が安定していることが絶対条件とされています。
したがって、チルトを上限まで下げた状態である−0.5度が主流となっているのです。
舟券を購入時にはチルトを必ずチェックする
艇の挙動に大きく影響するチルトは、舟券を買う際には必ずチェックしておいた方が良い要素となります。
競艇場やその日の天候など、その時の状況と一緒にチルトも併せて予想すると良いでしょう。
舟券の的中率を上げるためにも、必ずチルトをチェックしましょう。
チルト0.0度、+0.5度の艇には注目しておこう
画像元:https://www.boatrace.jp/owsp/sp/race/beforeinfo?hd=20210122&jcd=03&rno=1
先ほど、チルトは−0.5度が主流と紹介しましたが、0.0度や+0.5度くらいなら、レースのグレードや競艇場によっては使用されていることもあります。
チルトを上げている選手は、アウトコースからのまくりを狙っている可能性があるので注目しておきましょう。
特に、4コースの艇がチルトを上げている場合、スタートが上手く決まれば締めまくりが決まる可能性が出てきます。
その場合、1〜3コースの艇は活躍するのが難しくなるでしょう。
逆に、5コースの艇は4コースの艇に付いていく形になるので、2着を獲りやすくなると言われています。
4コースの艇がチルトを上げている場合は、『4ー5』にも注目しておくことが必要と言えるでしょう。
チルト3.0度の艇はギャンブル性が高い
チルト+1.0度以上は、現在では基本的に使われることはありません。
しかし、一発を狙ってチャレンジする選手が稀に存在します。
普段の調整とは全く違ったモーターになるので、うまくいけば良い結果に繋がるが、うまくいかなければ全く活躍できないといったことになります。
特に、チルト3.0度の艇は、いちかばちかの勝負を仕掛けて来ていると考えて良いでしょう。
まとめ
今回当記事では、競艇のチルトについて詳しく紹介してきました。
チルトがモーターに与える影響や、各競艇場のチルト制限、チルトの主流はレースの予想に影響してくるのでしっかりと覚えておきましょう。
また、チルトが主流外の設定になっている場合などはレースが荒れる可能性もあります。
舟券を購入する際にはぜひ、参考にしてみてくださいね。